11月「朱華(はねず)」

こんにちは。
カラープライマリー久保田みきです。

日本の伝統色シリーズとして
毎月、日本に古くからある色のお話をお届けしています。

お誕生月の方、おめでとうございます。
お誕生月ではないけれども、
訪問してくださった方も、ありがとうございます。
この色が気になったときに読んでもらえると嬉しいです。
今月もおつきあいください。

11月の色
日中の寒暖差が大きいですね。
体調を崩したりしていませんか?
夏が長く続いたせいか
秋を感じる間もなく、もう冬が近づいてきたようです。
今年も残すところあと2か月です。

リアルに会うこと
話すこと、飲食を共にすること
天気の良さも手伝って
今月はぐっとコミュニケーションを取り戻す月になりそうです。

11月は明るい橙、朱華色をご紹介します。

聖徳太子の時代、冠位十二階は
冠位の高い順に色を並べると、紫・青・赤・黄・白・黒
6色×2(大小)で位を表していましたが
天武天皇持統天皇の時代にはなんと六十階。
そのときの最高位である親王諸王が
身につける色が朱華でした。

ちなみに、この高貴な人が身に着ける橙色はのちに
皇太子さまだけが身につけることができる色
鮮やかな橙色で「黄丹(おうに)」となり、
平安時代以降、天皇陛下のみに許される色=禁色は
記憶にも新しい2019年の退位の礼・即位の礼で
陛下がお召しになった袍(ほう)の暗い黄みがかった茶色で
黄櫨染(こうろぞめ・こうろぜん)と呼ばれる色です。

朱華色は”明け方の一瞬、空一面があかね色に染まる様子”から
”命の生まれる瞬間を表す”縁起の良い色とされており
小豆をゆでた汁でついた「はねず色」の餅を
2010年、下鴨神社の宮司の口伝を頼りに
和菓子店「宝泉堂」が約140年ぶりに復元したとニュースになりました。

現在では、逆に大衆的で親しみやすさを感じさせるオレンジ色です。

オレンジ色は”ショックアブソーバー”といわれ
ショックを受け止める力が強いです。
夜泣きの赤ちゃんのタオルケットによい色と言われているほどです。

感情はお腹と関わりが深く
腹黒い、腹を立てる、腹を括る、腹を割る等々
気持ちをあらわす言葉には「腹」がよく使われます。
オレンジが好きな人は、気持ちをお腹に溜め込みやすいため、
ストレスが溜まると腸に影響があり
便秘、下痢、腸が張るなどの症状が出やすいようです。

人を喜ばせることが自分の喜びである方が多く
そんな場所を作り出すことが得意です。
笑わせる=お笑い芸人
食べさせる=料理人
綺麗にする=美容師
などの職業についている人も多いです。
※ちなみにヘアメイクさんやネイリストさんはターコイズブルーが好きな人が多いです

キーワード
命の生まれる瞬間
ショックアブソーバー
人が喜ぶ場所を作る天才

おまけの色の話
手袋の新商品開発のために行ったカラーアンケートでは
冬に手先が冷えて辛い人こそ
寒色系の色を好みやすい傾向がありました。

色は光です。

目から脳へ、光刺激は信号となって伝わり、
血管の収縮拡大といった生理現象を起こさせる原因にもなります。

還暦に赤いパンツや腹巻をプレゼントすると
温まるというのは真実で、
冷えに困っている人こそ
暖色系「赤・橙」を身に着けることをおススメします。