3月「若菜(わかな)」

こんにちは。
カラープライマリー久保田みきです。

日本の伝統色シリーズとして
その月にあわせて
古くから愛されてきた色を
ご紹介しています。

お誕生月の方、おめでとうございます。
お誕生月ではない方も春はなんだか
ウキウキしますね。
何かスタートしたくなる気分が高まるのは
1月、9月と並んで3月です。
気持ちにあわせた色の取り入れ方の
ヒントになると嬉しく思います。
今月もおつきあいください。

3月の色
春一番
三寒四温
花の蕾もぷっくりと膨れて、ほころんで。
春の訪れを感じる、ここ数日です。

3月は、明るい黄緑色「若菜」のご紹介です。

卒業、入学、新社会人、引越し、新天地・・
コロナ禍においても
新しい場所で、新しい生活が
始まる方もいらっしゃると思います。
はじめてのことでワクワクする気持ちと
ドキドキする気持ちがあいまって
1年のなかでも黄緑色に意識が向く方が多くなる時期です。

黄緑色は春の色として昔から愛されてきた色です。
暗くて色の少なかった冬から
芽吹きを感じさせる黄緑色は
春の訪れを知らせる色でもあるのです。

黄緑色にも、
若草色・萌黄(もえぎ)色・柳色・うぐいす色等
いろいろあるのですが
柔らかさと苦みのある春の山菜のような若菜色は、
春のとまどいやいい意味での緊張感みたいなものと
合っている気がしています。
※もっとイケイケの春には若草、萌黄もよいですよ

緑色は筋肉を緩和させる色です。
赤は緊張させ、青は落ち着かせますが
緑は何もしなくていい状態にしてくれます。
目が疲れたときに遠くの緑を見たらいいと
聞いたことがありますか?
読書やスマホで目の筋肉が疲労したら
どうぞ遠くの緑で目の筋肉が
何もしないでいい状態にしてあげてください。

緑には体を休める「スペース」という意味合いがあります。
自分の場所が欲しい、疲れている、睡眠不足の人にも
気になる色です。

植物を連想させることから
「変化」「成長」というキーワードもあります。

黄みによった緑は
新芽や若葉の色。
若い人や新しい挑戦に前向きな気持ちと通じます。

青みに近い深い緑はしっかり根を張った森の木のよう。
色んな理由で動けなくなった”変われない人”を指すこともあります。
変われない人は、変化する人への嫉妬から
意地悪になることもあるのです。
英語の慣用句の「green eyed monster(緑色の目をした怪獣)」は
シェイクスピアのオセロの一幕にも登場するそうですが
まさに”嫉妬深い妬みの感情”を表現しています。

一年を通して変化がない
老婆心的なお小言が増えてきた
・・そんな方にも黄緑色、おススメしたいです。

春に新調する文房具や
新しくはじめようと思っている趣味の道具に
黄緑色を取り入れてみてはいかがでしょうか。

キーワード
スタート 新しいことへの挑戦
変化 成長
フレッシュ 若々しさ

おまけの色の話

春の和菓子でよくみられる「うぐいす餡」
エンドウ豆から作られていますが
鮮やかな黄緑色をしていますよね。

実は、ウグイスはそんなにキレイな黄緑色をしていません。
もっと茶色がかった緑色なのです。
ちなみにJIS「日本工業規格」の
「慣用色名」に定められているウグイス色は
ちゃんとウグイスの色=茶褐色です。

ホーホケキョと春の訪れを知らせる声はすれど、
警戒心が強く人の前に姿をあらわさないウグイス。

同じ時期に人里にあらわれる、メジロを
ウグイスと間違った人が
メジロの色をウグイス色と
呼ぶようになったと言われています。
※諸説あります