2月「今様(いまよう)」

今様

こんにちは。
カラープライマリー久保田みきです。

日本の伝統色シリーズとして
毎月、日本に古くからある色のお話をお届けしています。

お誕生月の方、おめでとうございます。
お誕生月ではないけれども、
訪問してくださった方も、ありがとうございます。
今月もおつきあいください。

2月の色
まだまだ寒い日が続きますが
暦の上では春。
2021年は2月3日が「立春」となります。
立春の前日が「節分」ですので
今年はめずらしく2月2日が「節分」となっています。
節分のお話も後半で少し。

2月は「今様」のご紹介です。
いまよう、と呼びますが
つまり「今風」「現代風」という意味です。

平安の時代にその言い方が定着し
色以外にも
今様歌
今様舞
などがありました。

今様色は当時人気のあった
紅花で染めた少し淡い紅色のことを言います。

『源氏物語』のなかでも
光源氏が、愛する紫の上に贈った着物のなかに
「今様色」が登場するほどです。

赤よりも少し柔らかい色あい。
今風に言えばピンク色の分類です。

日本人はピンクの花が咲き始めると
徐々に春を感じるようです。
2月の梅、3月の桃、4月の桜といった具合です。

寒くて縮こまっていた背中を伸ばして
暖かくなる春に向けて
少しずつ外へ気持ちが向き始めるような
ウキウキ、ワクワク
そんな色あいに感じます。

華やかで愛らしいイメージをもつピンク色ですが
実は赤色に光を足して明るくなった色として
カラーセラピーの世界では
前進する強さも持つ色とされています。

勇気をもって愛の告白をする
(今はそんな日でもないのかも?)
バレンタインデーのテーマカラーとしても
ぴったりですね。

今までの殻を破って
自分の望むように、伸び伸びと。
色の力を借りてみませんか。

キーワード
愛情に包まれた
無償の愛 見返りを求めない
前向きな気持ち 

参考文献
「色の手帖」
「王朝のかさね色辞典」

おまけの色の話
節分の鬼の色にも意味があることをご存知でしょうか。

“鬼は自分の心の中にいる”
節分の豆まきには、
自分自身の弱い心(=鬼)を
追い出すという意味もあります。

心をふさぐ5つの障害を、
5色の鬼に例えています。

「健やかな心が澄んだ水とするならば」
ブッタのお話を参考にして、
まとめてみました。

赤鬼
自分の欲望に満足できず、
真実の目が段々と曇る。
もっともっと!と我慢できない心。
・水の中に色んなものを入れ過ぎて、濁った状態。

青鬼
嫌なこと、恨めしいことが
怒りとなり胸に溜め込んでいる心。
・水がぐらぐら沸騰して、底が見えない状態。

黄鬼
過去にとらわれ、くよくよと
今に集中できない心。
・水がしぶきをあげていて、落ち着かない状態。

緑鬼
不摂生や睡眠不足で
だらだらとやる気のない心。
・水が藻や微生物でいっぱいで、何も見えない状態。

黒鬼
知らないことを知ろうとしない、
最初から全て疑った心。
・暗闇で水がそこにあることも、見えない状態。

自分の中にいるのは、何色の鬼だろうね。
家族で、それぞれに考えてみました。
わが家は
ゲームがやめられない赤鬼
イライラして当たってしまう青鬼
グータラしちゃう緑鬼
鬼は外ーーーー!で
弱い心、追い出しましょう。